「特別…だからね」
幼馴染の理華(りか)に“彼女のフリ”をしてもらった海での一件のあと……
今度はまさかの逆!? 俺が“彼氏役”を頼まれて――!?
当然拒否権なんて無く、理華の学校の文化祭に連れてこられた俺。
どうやら――モテすぎて告白が後を絶たない理華は、“彼氏がいる”ことにして断っているらしい。
でもそれを信じない奴らがいて、黙らせるために俺が駆り出された…ってわけだ。
学校から家までの帰り道、少し暗い様子の理華。
「アンタは……ずっとニコニコしてる私の方がいいと思う?」
いや…どっちにしたって俺をからかって楽しむ幼馴染なことに今更変わらないんだが…。
素直に答えた瞬間、理華はいつものニヤニヤ顔になって――。
「……上がっていきなさいよ。いま誰も家にいないわよ」