全てではないけれどリヌッチ家のシリーズは何作か読みました。何より母の存在が大きくて彼女に会ってみたいと思わせる内容です。それぞれが息子の話なのに母の存在は全てをつなぐ要として登場し、今回はオリビアとの対面でした。オリビアにはそれと知らずに会
ったのですが、オリビアにとってもプリモにとっても「師」と言える者になっています。今回はプリモの話ですが、彼はとても頭が良くて優しい男性。自分の事は理解不足だったようですが相手を観察し正しく見極める事が出来る様は読んでいて気持ちが良い。特に、彼の身上を告白するレストランのシーンでは、オリビアを捨てた最低の元夫との再会に、冷静に対処しオリビアの心にあったトラウマの杭を粉砕しました。これは、リヌッチ家という血縁だけではない縁でつながった家族という縁に愛情をもってつながっている事の強さを当たり前に理解できている事の行動のように読みました。素晴らしい、羨ましい。けれど、そこに「財力」という基盤がやはり影響すると考える私は拗ねているのかもしれません。が、この物語の羨むべき家族の絆には、「許し」を越えていく強さが無ければ成り得ないことが最大の難関であることも分かってくるのです。
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