ハーレクインで出しちゃうと子どもは手にすることはないだろうが、これはもっと一般の読者層を狙うタイプのストーリー。「大人の」場面はどこにもない。それゆえ、絵柄も若年向けでいいと思う。
魔女には、迫力が足りなかった。
国王や弟、マスコミ対応
、というところ、彼等の存在は全く薄かった。
架空の王国設定でも、十字軍を持ち出す以上は、それらしさは大変重要に思う。
いろいろ不自然さはあるものの、このジャンルは成り立ちそのものがそれらを抱えて出発しているため、度外視して楽しんだ。
伝説が語られる時の雰囲気も、もっと読み手のこちらをグッと引き込むビジュアルを出してくれたらよかったと思う。
ブラック氏の容貌は、写真を撮られたと認識しているなら、意識的に、それこそ、「変装」が要ったように思う。外見は異なろうと同一性を示すものは設定されてあるのだから。寧ろそのためにも髪型、髪色等の変化は必要だったのでは?
登場人馬のすくなさゆえに、先が安易に分かってしまうのが惜しい。きっとそうなんでしょうと、思われるのは展開に新鮮味がなくなる。
いっそ、面が割れている前提で動かしてくれた方が、却ってワクワクしたのかも。
記者会見で晒し者になることと、自己犠牲の精神とは、なかなか同列には見れないが、背骨はぶれずに通っていて、肩の凝らない読み物としてひとときを過ごすのにいいと思う。
あなたを信じています、こういう風に言える人が現れたことが素晴らしい。
「地上より永遠へ」(シャロン・サラ作、藤田和子画)を思い出した。
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