味方と思っていたのに、ヒロインを自分のものにしようとする男がどうなるか、ヒロインの「男性」に対する完膚なきまでの圧倒的な精神の強さに、改めて驚かされる。第一巻ではロマンスの相手たるサイモンに対してまざまざ見せつけられて、それがあるから、これ
は不思議でない、というところなのだが。
女性が男性の全面支配下にあって「女」のアピールが重要で、常に生死が隣り合わせにあったヒロインの生きている時代。その環境の厳しさは、戦士としても育ってきたヒロインが、自分の身を守るために容赦なく反撃した光景を見せつけられて、甘い想像は許されないと思い知らされる。
彼サイモンは、時代性を考えるとあり得ない「紳士」の面があり、力ずくでヒロインを我が物にしない。
そして、騎士を自負する一方でヒロインへの露骨な迫りかたは、どこか野 卑な猛々しさもあり、アンバランスなこだわりポイントに彼なりのキャラが投影されている感じがする。
城に乗り込み、狡猾な乗っ取り男を追いつめるとき、一時劣勢に立たされたヒロインは、ここでも他のHQとは別次元のキャラ。
食うか食われるかの過酷な時代は、本当に読んでいて綺麗事が一切ない。
ヒロイン主導のストーリー展開は徹頭徹尾。
お見事。
それにしても性的描写で驚かされた。一巻目で既に私の読んできた中で最も過激であるため、絶句したが、二巻目に入っても、遠慮なく凄い。
ヒロインのキャラを完徹させるには、そう来るか、と、変な説得をされたよう。
さてそれとは別に、サイモンの上半身の肉付きには自然さがあった。日高先生の男性は頭が小さすぎることがあるが、遠目なら目をつぶれる。
しかしアップでは気になってしまう。色気を減らしてしまうからだ。
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