最初は陰鬱な屋敷でのライナスの孤独な探偵ものかと思い 次はコクトーの『怖るべき子どもたち』みたいな感じかと思い、でもどちらも違ったかな〜
でもそういうジャンルや、三原順さんのコミックとかゴシックロマン好きにはぜ〜ったい!オススメです。
第一章は館で謎の死を遂げた愛人グレースの子ライナスが母の死の真相を探ります。
ただこいつがハンパなく嫌なガキ!
でもわたしは彼と境遇似てるせいか、共感できる部分も結構あったりして、足掻かずにはいられない子どもの苦しみが痛いです。
最後母親の死の真相は明らかになったかにみえて まだ裏がありげ(っていうか別配信honey rose先ほど読みまして、こっちで解決なんですね)
第二章は 正妻の次男ウィリアムと館の家庭教師のお話が主軸です。
これはまだ途中だけど ウィリアムがめちゃめちゃ病んでいて、『いったいお前は何をしたいんだ〜』って感じです。
腹黒メガネで秀才な彼は 読者的にファンが多そうだけど 救いがなくて哀しい。
ひどく優しい面もあったりして彼の心が痛みがわかりそうでわからない。
優しさの、憎しみの、愛情の、涙の、微笑みの、人の心のあらゆる裏をついてくるこの作品は、実に居心地悪く、後味悪いのです。
でも適度な子どもたちの無邪気さ愚かさ、何より飽きのこない内容とテンポの良さで、サクサク読めます。
女性たちもとても魅力的うん、今こんな女はいないよな〜、でも普遍的な女の哀しみもあって、ほんと読んでて苦しいです。
まだ完結してないですが オススメ!
※間違っても完結前にhoney rose 読まないように! 推理小説のラスト先に読むみたいで後悔します
…重苦しい気持ちをとにかく何とかしたいなら 読むのもアリかもしれませんけどね。
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