強いところが沢山あるが、彼が王命で連れ出す前、ヒロインは本当に酷すぎる目に遭っていた。まさに彼は窮地から救い出した騎士であるが、戦わなければならないというのも騎士の本分。命を晒して武器を持って立ち向かう。このストーリー、守られてばかりでなく
て逞しいところがあるヒロインなのが素晴らしい。
何度も彼を救おうと動く。守るために、彼女も自分の手で。よく頑張っているなぁと行動力に、話の中の、フィリップの、「ただ者じゃないと思っていた」な台詞と符合して少し爽快感を味わえる。
ロマンス成分は、それこそ薔薇の香りのように。あるにはあるが、余り物理的描写ではない。
城の女主人としての実力は暴力男の館で証明済み。居城・領民の管理運営能力は素晴らしい。王の妹として、公爵と結婚というのはふさわしい縁組。
王に最も近しい存在として最高位の叙爵のウルフ、多数の敵を相手に勇敢に戦う功労により王の信任厚い。愛している者同士の結婚。いろいろと揃っているのに、敵方勢力は潜伏中で、安心出来る状況に程遠い。
二人の気持ちが互いに相手に伝わり合うこの2巻目は双方をそれぞれ苦しめた存在に対し決着がつく。
64頁ひとコマ目のヒロイン、相手役の存在感に対峙してない感じがする。
HQは原作から相当削ぎ落とすダウンサイジングが大変かとは思うが、それにしても、人物の登場数や二人それぞれの未決着の敵と、横恋慕嬢の非道ぶりなど、たった二冊ではどうみても厳しかったようだ。
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