電車で顔を会わせる度親しくなっていく中、気持ちが膨らんで伝えたくて口にして、早くもゴメンされるシーンの蓮くんは、初恋がこういう人でよかったねと思わせる所。
安堂くんのグイ感が適度なイケメンぶりで、もうこっちにしちゃったらと思うほど。喫茶店
でセンターの袖口摘まむシーンは、キュン死。
意図無くもたれかかられた腕の記憶に、バイバイ後独り苦悩する印象的な光景。
イヤホンの場面、医務室でのコップのやりとり、鎌倉でのエピソード一つ一つ、全て鮮やか。
蓮くんが安堂くんに校舎裏で「俺は引かない」、というシーン、水道前での「元気ないね」のシーン、応援団で受け止めシーン、どれも男性力満載。
先輩を駅で追いかけようとする仁菜子を追う蓮くんが一番胸に来る。
安堂くんに背中を押された仁菜子。やっぱり伝えたい。走る走る。一方仁菜子の様子がどうしても気になる蓮くん。やっぱり確かめようと戻ろうとする絵。
電車に乗ってから降りる蓮くんと、必死に走って気持ちを伝えたい仁菜子が、やっと向き合うシーンも大好き。髪の揺れや、時間経過による電車の場面の断片的動きで視線を変え、そして二人がただ一切を視界から斥けて向かい合う。再び二人が始まるシーン。このあとの、両想い確認場面とクラスの野次馬の突っ込み、それをかわす蓮くんの返しに、読み手のこちらもあてられる。
どこをとってもいい場面ばかり。
ただひとコマだけ、頁右に「私の好きなひと」、と入るところだけは、ガソリンスタンドのシーンとの繋がりの為なのだろうが、読むたびに違和感。
どの番外編も登場人物の周辺を彩り、全巻まるごとザ、「ストロボエッジ」世界に入れる。特に、祭りのシーンと、鎌倉シーンの、さゆちゃんのダブらせ方に、行き当たりばったりに描いてない感じがして唸らせられた。
何度も読んでるが、青春の煌めきの素敵さが、人を好きになるっていいな、との追体験感動をもたらし、そのキラキラとしたものを手にした二人の両想い光景に高い満足。
冒頭初登場時、主人公の口元が私の好みではないため、期待しないで読み進めるも、ありそうでなさそうな胸に来るエピソードで引き込まれた。
何年も、新生児名前ランキングに一位に輝いた男児名が蓮だったことに少し貢献した作品なんじゃないかと思っている。もちろん、少女マンガでは、ほかに、演劇系長編ものにも、有名な蓮さんがいるが。
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