札幌薄野のキャバレーで歌っている、ジャズシンガーの中原ケイ子。月に一・二回来ては歌をリクエストし、1万円のチップをくれる男・坂田五郎が、何となく気になっていた。一緒にラーメンを食べて、五郎が仕事場で上司とぶつかって辞め、麻雀で食べていることを知る。何か熱くなれるものが欲しいと愚痴る五郎は、麻雀名人・関根朝太郎と出会い、軽くあしらわれたことで、プロ雀士への情熱が芽生えた。同じくプロ歌手を目指すケイ子と、手を携えて東京に出る。アパートを借りてケイ子と同棲を始めた五郎は、スリの久三、中国人の王、関根を後一歩まで追い詰めたという高木、同級生でエリートの藤原などの強敵とまみえながら、次第に腕を上げていった。麻雀に青春を懸ける男の旅路が始まる…。収録作「北の国から」ほか「名人がいる」「雀ゴロの街」「凄いライバル」「名人の好敵手」「エリートを叩け」の全6話を収録。