良かったです。
私の好きな世界でした。
タクミユウさんの作品って1回読んだだけじゃあんまり面白くないんですよね。
無色透明も最初よく解らなかったし、下衆とあばすれも全然いいと思わなかった。
古本で売っちゃおうかな?って思った位。
ただ、たまたま読み返してみると、すっっっごく良くて、
「うわー、レビューもぅ書いちゃったよ〜」ってな具合で。
私にとっては、読めば読むほどはまる作家さん、
今では無色透明シリーズは私の大のお気に入り作品です。
なんか心情の揺れが、いいんですよね。
表向きは静かなんですけど、
内面はそれとどう向き合っていいのか、
向き合いたくないのか、向き合っちゃっていいのか、
この持て余してしまう、ただただ相手の事が好きというこの感情。
別にそれがドロドロしたドラマチックな悲劇的なものでもない、
ただただ自分の中にある消す事の出来ない、認めていいのかいけないのかのギリギリのラインの感情。
別にそれを認めようが認めまいが、別に周りは迷惑でもなんでもないんですけどね。
でもこのギリギリの感情、
私にはそれが綺麗に見えて、人間臭さを感じる…この空気感がいつも好きです。
今回のこの作品も正直なんてことのないお話。
ドラマチックな展開がある訳ではない。
エロシーンも少ないですし、最後も大団円でハッピーエンドってなる訳でもない。
でもいいんですよ。
絵も雑って言っちゃえばそうだなっとは思いますが、私は絵も味があって好きです。
すごく好きな作品でした。
無色透明シリーズの次に好きな作品でした。
最後の終わり方は最高です。
後書き見ると、もっと色々なエピソードが用意されてたみたいですね。いつかそれも読みたいです。
タクミユウさんの長編作品、いつか読みたいです。
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