この手の漫画では、スポーツ(部活物)マンガといいつつ学園生活などコート外にフォーカスし過ぎて何を描きたいのがピンボケしてしまうことも多いですが、ほぼほぼバドミントンを描いており、非常に潔くて好感を持てます。
また、日本だと創作に限ら
ずリアルも含めスポーツ全般について、小手先のテクニックあるいは抽象的なセンスといった部分を礼讃しすぎるきらいがありますが、フィジカルやメンタルコントロール、試合の読み合い誘い合い等についてもよく描かれていると思います。
特に主人公、ではなくもう一人の主人公ともいえる人物は、まさに長身とフィジカル(パワー)が売りな一方選球眼はやや劣るタイプであり、従来の正道とは異なるスタイルです。主人公やそのライバルから見るとレベルの落ちる選手でしたが、スランプでも腐らずに乗り越えることと強みを自覚し直すことでライバルたちと渡り合うまでになりました。敗者になり這い上がったことで、勝者でいたことしかない天才とは違う強みを持ちました。
スポーツは大会で上のカテゴリーに行って、地区の天才も県の凡人に、県の天才も全国の凡人、全国の天才も世界の凡人になる場所ですが、凡人になり敗者となることで力の差を知りすべてがむき出しになった中で気付きが生まれ、その気付きで這い上がった凡人が天才に襲い掛かって渡り合う。スポーツの醍醐味ですね。色んな選手がいるからこそ面白い。
もっとみる▼