ずっと知っていたけれど、映画でも知っていたけれど、何だか取っ付けなかった本作。
こんな作品だったとは。
松田先生はどの作品も、何かしら人生の塩っぱさが効いているけれど、その中でもかなりやられました。
読み終えた時の感情に、名前が付
けられない。
物語のその後を、思い浮かべずにはいられない。
そして勝手な想像に過ぎないけれど、胸が締め付けられてしまう。
そして『PAINT〜』。
町工場をこういう風に描くって、近くで見ていた人しか出来ないんじゃないかと思う。
もう読んでいて溜め息が出そうな状態なのに、逆に前向きにさせられる。
作品にも出てくる人物へも愛があるから、読んでいて辛くはない。
もうどうしようもない、どうにも抗えない。
だからちっぽけな希望に支えられて、生きる。
前向きに頑張る!みたいなエネルギーはとっくに使い果たしているだろうに、それでもちゃんと這いつくばってる。
そんな生き方が愛しく思えて、鼻の奥がツンとする。
松田先生の、そんな彼らへの愛が堪らなく好き。
タナダユキさん、流石です。
これは映画にしたくなる。
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