正月2日夜NHKのEテレ「100分de名著ー100分de萩尾望都」を視聴。これは久しぶりに先生の著作を読まなくてはと思い手に取った。傑作揃いの先生の作品群で、SFの面白さを漫画で味わえるジャンルではピカ一の気がする。1975年発表作品。
画業何十年の巨匠ひしめく漫画界で、先生のポジションは本当に唯一無二と考えている。今の漫画界を席巻するBLにも通ずる微かな少年愛を感じさせるジャンルも、その発表時期が近いが、これは全く独立して考えられる。SF物として綿密に描かれた、宇宙(船)(空間)舞台の星間戦争と協調等の話。宇宙飛行士選考過程で問われる資質も、今でこそ、多くの日本人宇宙飛行士が生まれた為に明らかになってきた情報から私たちは知ることが出来るが、当時は斬新で説得力もあり、それがエンタメとして楽しませる切り口であることを、本作の魅力によって知らされた。
長いこと、面白いと思った本を尋ねられると、私が答えていた書名だ。
続編(人気に押されて)も作られた。
萩尾望都先生のファンはきっと漫画読み歴が40年選手50年選手も多いだろうから、ここで書くのは野暮だが、絵の古さなどに批判的なレビューを他の先生方の作品に浴びせている読者がいて、よく残念に思う。
アートスタイルが時代に沿って変遷するのも、作者が大衆に迎合しないユニークな作風を確立するのも、どちらもアリだと思う。「いまふう」であろうとなかろうと、関係ない。
そのときどきに発表されたものを、温かく受け入れられたものを、今のファッション感覚でパーンと安易に断罪するのは、どこか違うと思う。
という私も、長期に少女漫画を離れていた。
カズレーザーさん(「バルバラ異界」推しのコメント良かった)、ヤマザキマリ先生他、コメンテーターの方々がそのTV特番で力説される萩尾先生の別作品の魅力に、これはブランクを早期に取り返さねばと痛感してしまった。40年以上前のラインナップしか語れない私は、自分が時代遅れ。
さぁ、まずトーマの心臓を次読み返そうっと。
もっとみる▼