外付けの装置でデータの蓄積、分析をさせて活用するコンピュータのネットワーク化など、まるでこんにちのAI時代を予感させるけれど、至って昭和なお話。主人公慎平の、突如転がり込んできた早紀への抑制が実に誠実で崇高だ。
柴田昌弘先生の作品は1.2
巻は持っているはず、ラン?ソネット?主人公は女の子だった。
このフェザータッチ・オペレーションは陰謀巻き込まれもあり、時折女の子の無邪気な首のつっこみ方がうっとうしい時はある。そういうところを、特殊な背景の16歳の彼女の世間知らず、常識外れの育ち方したから、で説明しておいて、彼は最初から最後まで渾身で彼女を守り抜いてるのが、彼の一貫した美学のようである意味感心する。普通の男の子っぽさを見せつつ、なかなか出来ないことをやってのける頑張りが素晴らしい。
レビューを読んで、そんなに気に入った人が居るのならどれどれ確かめたい、と、柴田先生作品の面白さをかつて少し知っていた者として、関心そのままにやって来た。
柴田昌弘先生タッチの絵がかなり懐かしかったし、やはりいろいろ巧さが。特に町の景色だとか、山の中の研究所の雪景色だとか、楽しかった。
個別に閉じている話が幾つかあり、黒幕組織の暗躍が全体を貫く。
一応悪人達は悪人らしく動くものの、敵方のボスについてはクッキリ人物像を決めてないのか…。
なかなかオチが良かった。
それにしても、昔は、柴田先生ほか、弓月光先生、和田慎二先生、あだち充先生がいらして賑やかだったなぁ。その前には、もちろん大御所の先生方、手塚治虫先生、赤塚不二夫先生、ちばてつや先生…たくさん描き手が掲載誌を彩った時代もあったそうだし、そんな多種多様な作品群で少女漫画を読みたいものだと思ってしまう。
もっとみる▼