初読み作者さん。積読リストに長い間入ってて、どうしてこの作品を見つけたか忘れてしまった。。なぜかレビュー数少ないですが、なかなか他にはない特別な作品でした。明治から大正くらいの時代、妻が不倫相手と川へ身を投げて心中してしまった小説家。心中現
場の橋の上で、不倫相手の愛人(もちろん男)と出会うところから話が始まります。お互いに置いていかれたもの同士、孤独に苛まれ、喪失感を埋めるため成り行きで同居することになる。ふたりが出会ってからの日常を、劇的ではなく、淡々とした筆致で描いています。時代背景の細かな描き込みと重なって、どこかもの悲しさの中に、この世でふたりでいる幸せを感じました。
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