紙媒体持ってるのですがすぐ読めないので電子媒体で購入。味わうと暫く心が入り込んでしまって、日常から離脱出来て、休日のひとときがゆったりする。こういうリラックスタイムを過ごせる漫画は貴重。しかも、先生の繊細な画風が私を癒してくれる。
先
生の線の使い方ににじみ出るフワッとした空間が好き。
発表時の年代を考えるに、男性の髪型や顔が少女漫画の一派として、あの頃はこの雰囲気がぴったりたな、と、ノスタルジックな気分もあるが、逆に今も、無い物ねだりに見て楽しめる。
絵が古いから読まないなんてそんな判断で読むものを狭めたくない私には、今の作風にないキャラクターが、短期的な傾向の偏りから逃れられて大好き。
私がe-bookに読みに来るのは、もう書店で買えない、絶版みたいなものを、ここならありそう、との想い。また、単行本化を待ち、かつて本誌から切抜き保存した作品が、収録不明のままで歳月が過ぎやっと再会する期待もある。
電子スペースは置き場と気づいたのも大きい。
でも、見開きで読ませる漫画のスケールの大きいコマなど、また、左側の頁をめくって開く行為によってしか場面展開のなかった紙だけ時代の方の、コマに工夫された構成の魅力が破壊された。コマをぶつ切りにして読ませるやり方のためし読みも、私の漫画読みの流儀とは相容れない。液晶画面で粗い絵が小型化されて、手抜きが淘汰されない。漫画はストーリーだけのものでないし、刻まれたコマ一つ一つが単独で眺められる以外に複数コマに跨がる表現など、または、二頁ひとセットの中での絵の楽しみがあるものなので。些細だが、頁めくり時、紙の両側を一秒未満で行きつ戻りつして変化を味わい直す楽しみも喪われて。
兎に角、電子化を想定していない頃の漫画の良さが、味わいきれない現実は、少し悲しい。
なのに、手元において読める携帯性から、恐らく電子媒体は今後も利用するだろう。
最後に、もうひとつ。
過去のこうした素敵な作品が、現代的な事情から今後どうなるのか、まさか、発禁?販売中止にならないか少し心配している。
過去の作品、少女同士、少年同士の恋愛感情の受け止められ方は、あくまで思春期の過渡的現象との位置付け。同性への憧れももちろんありうる話だが、社会的な制約などや製作当時の時代的風潮によっての一辺倒の見方もあり、今後、どうなるのか。
今のうちに手元に買って正解と思った次第。
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