この作品に出会ったとき高校生でしたが、幼いころアトムで純粋に涙した私には、もー、青天の霹靂な手塚作品でした
ビアズレーの版画を効果的に使用したSEXYな演出とか、骨太でスリリングなストーリー展開とか、マンガの枠を超えてます
ベトナム
戦争時に開発された毒ガスMWが、偶然出会った2人の運命を対極へ引き裂き、引き寄せてゆく。男色、殺人、獣姦・・・・と、背徳的な罪の限りを尽くす美貌のオトコ結城 彼の魂を救うためとか言いつつ、複雑な愛憎ゆえに離れられない神父、賀来 悪魔的な結城と、非常に人間臭い(偽善的で誘惑に弱い)賀来、この2人の濃厚なドラマに政治や金が絡み、まるでよーく練られた脚本のフィルム・ノワールを1本観たような気にさせられます 結城役に玉木宏さん& 賀来役に山田孝之さんで2009秋に映画公開とのコトですが、男色バリバリなシーンはどーするのかしら? 玉木の結城役じゃ色気と凄みに欠ける気がするし、山田君の賀来役カワイすぎではナイかしら? 人間の業と善悪を鋭く突き詰め、世に問いかけた異色の手塚作品、日本映画界がドコまで思いきった演出するか、見モノですね ハリウッドでリメイクあるなら、結城にキアヌ賀来にコリン・ファレルってトコでしょうけど、どんな俳優が演じても、結城の涙の切なさは出せない気がします ラス近く、悪の権化が1瞬ダケ流した涙が、この作品中、唯1の純粋な『愛』ではないでしょうか? 原作は間違いなく、時代を超えて名作中の名作、いえ、傑作です
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