初めての作家さんでしたが、とても相性が良かったみたいで楽しめました。オメガバースで溺愛とくれば何かと激しめのものを想像しますが、見せ場を作りつつも性に囚われて翻弄されるのではなく落ち着いて乗り切っていたり。甘いけど、それだけじゃなくて塩味が
効いたポテトチップチョ◯レートのような絶妙な取り合わせだったり。どんな三人組(取り合い、三角関係のような緊張感のある関係)かと思えば、木嶋くんがメチャクチャ良い子でナイス働きをしているところだったり。何度か視点を変えて進められるストーリー運びもキャラの心情がよく分かって良かったです。高校生らしい友情や愛情表現にも好感が持てました。作者様の「イヤミなほどに、嫌味のない人間」とか「放牧飼育的な保護を続けてきた」とか、真逆なことを言っているようで、でも腑に落ちる独特の文章表現も好きです。大学生になって深也に突如訪れた「謎のモテ期」の事実は、かなりツボでした。読みながら私は何となく分かっていましたけど、深也にしてみれば怪奇現象みたいなものだったのかな?と、笑ってしまいました。欲を言えば木嶋くんや若月くんのその後をチラッとでも読めたらなぁと思います。
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