『天馬の〜』シリーズがとても良くて、それならばと、こちらも読んでみました。『天馬の〜』もそうでしたけど、とにかく世界観を作るのがお上手です。ファンタジーって、全くゼロから創るのは相当難しいと思います。実際には「ない」世界を「ある」ように見せ
なければいけないのですから。上手な嘘のつき方と同じで、嘘(創作)と真実(現実世界)をどういう割合で混ぜるかが重要で、それがそのまま信憑性に繋がるような気がします。タイトルの明るめなイメージからは考えられないくらい辛い場面から始まるストーリーに、読み続けるのを一瞬躊躇ってしまいましたが、一人の少年が精神的に成長する姿を見守る事ができて良かったです。溺愛というのも恋愛感情だけではなく、師弟愛や家族愛が混ざった奥深いものを感じました。強い愛情を早くから意識しながらも、受けが成長し受け入れてくれるまで待てる攻めは、節度も理性もあって素敵だと思います。
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