時を遡る系の話がマイブームで、最近ずっとそんな話ばかり読んでいますが、これははっきりと格が違う。文章のうまさだけじゃなく、人物の造形、ストーリー展開など、どれをとっても一流です。どんな物語でも中盤くらいから面白くなってくるものですが、これは
最初の1ページ目から世界観に引き込む力がある。なんと美しい話なのだろう。その美しさの中に、事件も政治もエロも過不足なく入っていて、それらのおよそ生臭い面も含めて世界観を壊すことなく物語が紡がれます。一言でいうと「愛を告げないことで相手を守る」という話です。そこが本当に切ない。ネタバレの上で読むと面白さが半減しちゃうので、レビューなど読まないですぐに読んでほしい。でも私のように夜から読み始めると寝不足になることは必至なのでご注意を。久々に「やられた!」と思った作品に出会いました。
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