修復できていない。改善はあるだろうけれども。根深過ぎ…。
取り敢えず対症療法的に便利な存在意義から始まった。
カラっと、恐ろしさとは無縁な感じの描かれ方だが、最後の最後まで読めば、決して完全解決ではないと、完治などないだろうなと、タカナ
シ先生は読み手の油断を戒めてきた感じ。画風に煽るものは無かったのに、題材が、底無しの闇にもがいて壊れてしまったものを見せて、安易に安心させないように釘を刺してるように感じた。
ほぼほぼ全編いびつな関係の被害者のように描きながら、その実、課長はいびつな愛の闇へ主人公を取り込んだ。闇からもう逃れられないのは一体どっち?
岩瀬さんはいかにも課長の心を飼うように扱うことで主導権は渡さなかったけれども、主人公は違う。
主人公は課長に取り込まれてしまった。表紙の青い糸はそういうことを示していると思い至って、救えなかったのだという理解をした。で、クモの糸に見えてしまうのだ。はじめの内はジタバタしてたのに、段々抵抗しなくなっていった感のある…。
世間一般のイメージの軽やかなハッピーなどこの二人のCP成立には持ち合わせていなくて、ホントは怖いのに糖衣錠の形をしていて、ただただ主人公が課長の世界に陥ったスリラー物と読んだ。
語り方に恐怖の演出があからさまにはないのは、抜群の創作センスと思う。
ある愛の形、というのか。
特徴ある細さに研ぎ澄まされたこなれた1本1本の線でさらりと描かれているのに、そこにあわれ搦め捕られていく彼を、とにかく私はただ見つめさせられていた。
独特の感性のほうに私はむしろ恐怖した。タカナシモリミチ先生が差し出す闇から彼はもう抜け出せはしない。。救う手を捕まれてしまって。
(シーモア島で紹介あった作品です。)
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