作者様買い。
『触らないで、抱きしめて』がすごく良かったので、こちらも読んでみました。
1巻203P、表題作+短編1話+書き下ろし+電子限定書き下ろし。
発情期編28P。
オメガバースにも色々な世界観がありますが、こちらはΩに対する
偏見や差別が多いオメガバースの世界のお話で少し切なくなります。
閉鎖的な田舎の小さな町でΩであるがゆえ周りから疎まれ浮いた存在のDK・花人。
傷付けられても、理不尽な扱いを受けても相手を恨んだりせず、懸命に生きる花人の健気でひたむきな姿に胸が苦しくなります。
初めて花人に偏見のない優しさを向けてくれたのは東京からきた転校生・高城。
穏やかで優しい高城の人柄がとても温かくて救われます。
高城の家族もまた偏見のない優しい人たちで、こんな両親の元で育ったからこそ今の高城があるのかなと思ったりしました。
花人の母親はひどいなと最初は思ったけど、書き下ろしを読んでイメージが変わりました。
母親もまた苦労しながら花人を育ててきたんだろうなぁと。
花人の母との想い出も母に対する気持ちも素敵だなと思います。
いつかまた再会できたら良いなぁ。
Ωが生きにくい世界だけど、大切に想い、想ってくれる相手に出会えた花人はきっと幸せなはず。
4年ぶりに描かれたという発情期編ではふたりの仲の良い姿が見られて良かったです。
発情期編はなんとなく含みを持たせた終わり方に感じましたが、作者様もあとがきにまた番外編を描きたいと書かれていたので、いつかでるかもしれない番外編を楽しみにしていたいと思います。
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