初めて読む作者さまです。タイトルが平仮名で”おとこのこ”て何か意味がありそうで、響きが良いな…と思って購入してみました。 柔らかい絵柄でお話もそうかな…と思ったのですが、想像もつかないほど内容は深くストーリーの構成も凄くて、ううう…となりま
した。
劇団員で脚本も書いている かなでさんとバスの運転手 勇紀さんのお話。ある朝 目が覚めると、このかなでさんが小学生の男の子に退行している所から、物語は始まります…。少しでも言ったらネタバレになるので何も言えませんが、そこからが全ての始まりでした。共感してしまったのは勇紀さんの生き癖ですかね…。なので真逆タイプの弟の悠太さんの様に…とりあえず兄ちゃんに電話してみよう…を見て、それは止めてあげて…と感じたり。(兄ちゃんも姉ちゃんも、弟妹には嫌、と言えないんですよ…)勇紀さんの様に心の声までは聞こえませんが、自己完結してきた生き方は、分かるなぁ…と共感。恋人に伝えたかった事、聞きたかったアレコレも、揉めるくらいなら…と言葉にしてこなかった勇紀さん。それが逆に相手を苦しめていたと知った勇紀さんの、いたたまれなくなって部屋を出て行ったコマを見て、私だったら戻れないな…と。お話の箇所箇所に、自分の過去を突き付けられている様な所もあって、読んでいて うう…となりました。 かなでさんと勇紀さんの共通人物も、2人にはそれぞれ似た過去の穴の様なものがあって、それで見えているのかな?とか…、勇紀さんの言葉に出せてこれなかった かなでさんへの想いがそうさせたのかな?とか…、生き霊の共有みたいなものだったんですかね…。
エピローグを見て、私だったら行ったか…と。何度も主人公と自分を重ねてしまって、最後はそんな描き方をされる作者さまを、すごいなぁ…と思いました。購入して良かったです…。
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