短編集。1編で終わるものもあれば、AだけでなくBへ続くものもあります。ベースはゴシック&ロリータ(これらも調べてみると奥深いですね)。しっとりとした幻想的なものもあれば、クスッと笑えるものもあり、不意に涙が出るものもある。いったい、明日美子
先生の紡ぐ世界はどこからやってくるのだろうと、まるで別世界の人のように感じてしまいます。この劇場で語られる物語は、どんなものであろうと、美しさだけは普遍です。愛しさの中にも悲しみの中にも、残酷さの中でさえ、確固たる耽美的な世界観があります。極端ですが、カエルの描写なんて、ゾッとするのに、その滴る何かに見入ってしまう。明日美子先生の描く世界は、無慈悲さと美しさが共存していて、何とも言えない気持ちになります。その世界に触れられるだけで、不思議と満たされます。あとがきの作品コメント一つ一つに、先生のこだわりが見られたこともうれしかったです。アリス少年の話は、ぜひBで続きを読んでほしいです。本当に素晴らしいです。
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