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ボーイミーツマリア
1巻完結

ボーイミーツマリア

780pt/858円(税込)

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作品内容

幼い頃からヒーローに憧れる大河は、高校に入学し運命の女の子と出会う。その相手は、演劇部のマドンナ・通称「マリア」。公演で一際目立つマリアに一目惚れした大河は、出会ったその日に自分のヒロインになってくれと告白するも、あえなく玉砕。評判の美女は実は男だった――。

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作品ラインナップ  全1巻完結

  • ボーイミーツマリア

    780pt/858円(税込)

    幼い頃からヒーローに憧れる大河は、高校に入学し運命の女の子と出会う。その相手は、演劇部のマドンナ・通称「マリア」。公演で一際目立つマリアに一目惚れした大河は、出会ったその日に自分のヒロインになってくれと告白するも、あえなく玉砕。評判の美女は実は男だった――。

レビュー

ボーイミーツマリアのレビュー

平均評価:4.7 352件のレビューをみる

最新のレビュー

  • (5.0) たった一人のためのヒーロー
    でらさん 投稿日:2024/10/24
    【このレビューはネタバレを含みます】 まずタイトルが好き。そのままボーイミーツもの。ボーイミーツワールド。 ヒーローって表層的なイメージで語られがちなものと、そのままの浅はかさで憧れてる大河の薄っぺらさ。でも人の笑顔の裏側にあるものを彼自身が早々に悟っていた事の裏返しでもある。 自我が芽生える前に性別を母親に決めつけられたという悲劇もあり有馬の人生は歪んだ形で始まる。この物語に対しては特に主語をデカくして語る事をしたくなくて、男だ女だって2極化の問題を入口に、社会が脱却できないジェンダー意識が根っこにあるのが見えてくる。性同一性障害とか自分が知ってるカテゴリーに当てはめたくなる『分からない』曖昧な有馬の存在が周囲の不安を煽り、追い詰められてぶつかり合った先に2人は個としての存在意義を見出す。その希望自体がきっと他の生徒たちもこれから知っていく、変わっていく可能性があることを暗示してる‥と思いたい。 有馬も言ってたけど役者が演じるみたいに色んな自分がいてもイイ。ジェンダーフルイドのように、毎日の自分が同じじゃなくてイイ。 有馬が襲われた時に助けてくれた人を直感的に大河の父親だと結びつけられたのは、メタ的なこと以上に自分がそうあってほしかったのかもしれない。あの日の大河の手を放した父親が有馬のヒーローであってほしかった。ヒーローなんて大体みんな仮面1枚分の殻を被って現れて、其の実中身は私達と変わらない悩みも沢山あるただの人間様なんだから。この作品だって誰かにとっての救いのヒーローになれるくらいのパワーがこもってて、読んで勇気をもらった人がまた誰かのヒーローに変身しちゃう‥そうなっても不思議じゃないくらいの物語だと思った。 テツと福丸も心強くて良い存在感!演劇顧問が電話したのって何だったのかだけが分からず、なんか見逃したか私? 続きを読む▼

高評価レビュー

  • (5.0) このまぶしい作品がずっと残りますように
    ベグさん 投稿日:2021/7/28
    【このレビューはネタバレを含みます】 フォローしている方々のレビューを拝見して、昨年の夏の終わりに読んで以来、久し振りに読み返しました。 表紙を開いて目に入る、作者さんの「ボーイミーツガールともボーイミーツボーイとも言えない話になりました」という言葉がしっくりきます。私は、「大河ミーツ有馬(マリア)」で、「大河ミーツ大河」、「有馬(マリア)ミーツ有馬(マリア)」のお話のように思いました。 自分が高校生の頃に読んでいたら、どんな風に感じたのかなと想像します。いつ読んでも、何かしら心に響くものがあると思います。特に、ジェンダー、セクシュアリティ、あるいはアイデンティティに戸惑い、悩み、苦しくなったりしたときに、そばにあってくれたらいいなと思う本です。 ヒーローに憧れながらヒーローには程遠い大河と、男であることを否定された過去を持つ有馬のお話。 時にコミカルにテンポよく進むストーリーが、突如シリアスでヘビーな方向へ振られる幅は大きいけれど、一人の人間が持つ多面的な部分(内面)、あるいは社会の明暗(ヒーローとヴィラン)の表出のようで、この世界をとてもリアルに感じることができます。また、「有馬がどこにいるのかわからない」としゃがみ込んで気持ちを吐露する先輩など、脇に至る登場人物一人一人の心理描写、言葉、表情に、作者さんのどんな人にも気持ちを寄せようとする優しさのようなものを感じました。そしてアンテナ力と洞察力の高さもすごいな…と思いました。 人と出会い、向き合い、相手と自分を知る。誰でも、どんな自分でも、スポットライトを浴びていいと踏み出す一歩の力強さに勇気付けられます。人と違っても、大多数と違っても、様々なことが様々に枝分かれする中で、それぞれ一人の人間として生きること、自分の、あるいは自分たちの道を生きていこうとする姿は、それだけでまぶしいです。作者さんが息づくこの作品がまぶしいです。 目をそむけたくなる子どもへの性的暴行シーンがあり、なかなか読み返せなかった理由の一つでもあります。でも、その描写がない方がよかったとは思えないし、その辛さも含めて、広く読まれて欲しいなと思います。読まれることで、作品がずっとずっと残るといいなと思います。この作品に出会えて、本当に良かったです。作者さんに心から感謝です。描き下ろしが可愛くて、とても好きなんですよ。 続きを読む▼
  • (5.0) 沢山の方の目に留まりますように。
    vamさん 投稿日:2021/8/15
    【このレビューはネタバレを含みます】 ずっと、ずっと購入するか悩み抜いた作品です。だけど、読み終えた今、読んで良かったと心の底から思います。 親のエゴで、生まれて来た性別を否定されながら、大人の期待を裏切らないようにするしか道がなかった有馬。そのエゴが招いたとは言わないけれど、一生心に残る傷を負わされた悲劇に、目を覆いたくなりました。嘆く母親の前で、髪を切る事が背一杯の抵抗だったと思うと、やはり辛いです。 決して、性別を間違えて生まれて来たのではないし、自分を中途半端な人間だと思わないで欲しい。自分は男なのか、女なのか、一体自分は何者であるのか、傷つけられた心にもがき苦しむ有馬にどう寄り添えばいいのだろう…理解しようとしても、その苦しみは彼にしかわからないだろうし、理解しようとするのではなく、心を寄り添って受け止める事なのかなと。人と同じでなければ、異端児のようで、周りの戸惑いもわかる気がしますが、大河のように男女のこだわりを越えて、有馬という一人の人間に寄り添って来た強さはやっぱりヒーローなんだな。ヒーローになりたかった幼い大河にも、親の不仲や母親との別れに傷ついて来たけれど、有馬と出会って強く優しくなれた気がします。「優でいてくれたら」と言う言葉に有馬は救われたのではないでしょうか。もう涙が溢れてたまりません。 物語の中で伏線が張られていて、それが見事回収された時、やっぱりヒーローは居たんだなと、感動の一瞬でした。 この素晴らしい作品が、遺作であると知った驚きは言葉になりませんでした。さぞやご無念であったかと思うと、作品の中から訴えかけるもの、これは多くの方に読んで欲しいと強く思います。心よりご冥福をお祈り申し上げます。 この作品を悩み抜いて購入した訳は、児童に対する性的暴行のシーンがあると知ったからです。自分に耐えられるのか不安で仕方ありませんでした。辛い事ではありますが、作品を読み終えて言える事は、読んで良かったと思います。 地雷に関する注意書きは、作品選びにおいてとても有難いものであり、その勇気に感謝したいと思います。フォロー様方、フォロアー様方も読まれる時の辛さを、お察しいたします。ありがとうございました。 続きを読む▼
  • (5.0) 胸いっぱいになる
    しゅうさん 投稿日:2022/4/20
    【このレビューはネタバレを含みます】 ●「BL以外のカテゴリに分類されている実質BL作品」というのが時折ありますが、こちらの作品こそ「BL以外のカテゴリ」に入れたらもっと多くのかたに読んでいただけるのでは?なんて思いました。 ●ボーイズのラブ要素は(大事な一面とはいえ)こちらの作品のほんの一端であって、自らの性に激しく囚われている有馬を軸に、ヒロイズムやトラウマ、他者を理解しようとすること、自分を理解してもらおうとすること、自分が自身を理解すること、それらの難しさ、それでも互いに寄り添おうとすること…主役の二人だけでなく、登場人物皆がそれぞれに悩んだりぶつかったり寄り添ったり。もう、本当にいろんな思いが湧き上がってきます。なお、児童性的暴行の直接描写がありますので苦手なかたは注意です…が、そこを乗り越えて読んでみていただきたい気持ちです。 ●両親の離婚を経て、人のうわべだけを見てしまう大河。有馬(マリア)に出会って、彼の(彼女の)ヒーローになる!とアタック。一方、辛い経験で自分の男の部分を受け入れられない有馬。「男になりたいのに」という切実な思いとのせめぎ合いがヒリヒリする。大河が「どっちでもいい」「どっちも好き」という態度で接するのが素晴らしいと思う。 ●「演じる」ということが二人にとってとても大切な行為で、それを通して自分のことを伝えようとし、お互いを(自分自身を)分かろうとする。大河の友だち、演劇部員や顧問の先生、みんなが二人に対していろんな感情を抱いて、いろんなアプローチをしてくる。ホント…考えさせられます。 ●夫に愛してないと言い切った母ちゃんも、浮気性だった父ちゃんも、女の子でいることを強要した母親も、児童性愛者の先生も、なんだかんだ苦しんでた。(でも犯罪は絶対ダメ!)隅から隅まで、どのキャラクターにも思いを馳せることができる。すごいです。 ●過去の大河と有馬に、ほんの少し交わる糸があった…という構成の妙も。読み終わり、胸いっぱいで…なかなかうまく言葉になりませんでした。登場人物みんなを、是非見守って下さい。描き下ろしはすごくほのぼので、嬉しくなりますよ。(長くなりすみません…) 続きを読む▼
  • (5.0) きちんと向き合う必要がある
    ゆきさん 投稿日:2019/12/29
    【このレビューはネタバレを含みます】 「わからないもの」にに対して畏怖の念を抱いてしまうのは、防衛本能として誰もが持ち合わせているものなのかもしれない。だからといって、「男か女かわからない」から「怖い」と拒絶してしまうことはあまりにも暴力的でつらい。 男か女か、カテゴリに当てはめてしまえば分かりやすくて、簡単に理解できた気になれるけど、それって本質は何もわかっていないんじゃないか。だけど、男女のジェンダー的な概念が根強い日本の価値観に染まっていると、くっきりふたつに分かれるって思い込みが邪魔してしまって、カテゴリに分けられない人に対してそうやって暴力的になってしまうんだと思う。 そんな中で、男とか女とか関係なく“ひとりの人間として”相手と対峙できる大河くんはすごいし、”有馬優“を受け入れようと努力してくれた姿に有馬くんは本当に救われたのではないかと思って涙が止まらなかった。 演劇部の他の人たちの反応は暴力的ではあるけど、とてもリアルでしんどかった。実際に今の日本ではああいった反応をする人の方がきっとまだ多いから。 個人的には「男は女を守らなければならない」って価値観は違うと思ってるし、大河父は優にしたことで大河母にしたことが許されるわけではないから、そこも含めて、沢山の問題提起をしている作品だと思って読みました。 BLではないかもしれないけど、様々な愛の形があっていいっと思うし、カテゴリにとらわれず文学作品として考えたら素敵な作品でした。 続きを読む▼
  • (5.0) 魂を震わす作品
    アオさん 投稿日:2024/6/12
    【このレビューはネタバレを含みます】 熱い内容のレビューを拝見し、とっても気になっていたので購入しました。 素晴らしい画力で、影の表現については細い線の1本1本を丁寧に描かれていて驚きました。 作者様の想いの強さが力のある画から伝わってきます。 あっという間に話に引き込まれ、途中から涙が止まらなくなってしまいました。 主人公の大我と優。それぞれが抱える心のトラウマと矛盾は根深い。物事を深く考えない(ようにしてる)大我の強引な告白から二人の関係は始まります。優は演劇に真摯に取り組む中でどうしても避けられない自身の問題に行き詰まり、それとは逆に優によって本質を見る事を教えられ人として成長していく大我。 焦燥感を募らせる優は更に深い孤独を感じて大我とぶつかりますが、弱さを見せて受け入れる事で自ら成長し変わっていきます。 確かに大我は変わって人として成長したけれども、軽率でおバカな大我だったからこそ優との関係を始める事が出来たし、変わっていく姿を優に見せる事も出来た。 人は変わる事が出来るけれど、それ以前にその人にしか出来ない事がきっとあるという、諦めないで欲しいという…希望に溢れたメッセージを受け取った気がします。 この作品を20代前半で描かれたとは本当に驚きました。もう他の作品を読む事ができないのは心底残念ですが―――素晴らしい作品を届けてくださった事に心から感謝いたします。 続きを読む▼

書店員・編集者などオススメレビューをピックアップ!

性を超えた実直な愛
設計:うーちゃん(シーモアスタッフ)
PEYO先生の描き出す骨太ストーリーと圧倒的画力。BLの枠にとらわれないテーマ性のあるスト重BLなのでBL初心者の方にも一周回って上級者の方にもオススメ!ある事件から二つの性別が心に住むようになった、マリアと呼ばれる美しい少年に一目惚れする大河の真っ直ぐさが良いです。名作の一言に尽きる!

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