去勢歌手を題材にした、3作品。他の方のレビューにあるようにちょっと言葉遣いにおかしいところがあったり、18世紀らしさは感じられなかったり、期待してた宗教的な絡みが無かったり、題材に対する作者の力量不足は否めません。でもけっこう好き。
・「
カストラート」音楽だけで細く深くつながる、誰にも侵されることの無い二人だけの絆。ロマンチック。アルフレド・モレスキの名は、実在した最後のカストラート、アレッサンドロ・モレスキへのオマージュかと思われます。星3。
・「天使の鳥籠」純粋にして残酷、神の道具としての天使を思わされます。凡人を顧みない天才って良いですね、私は好きです。星4寄りの3。
・「レオの結婚」ディアナがどうしても嫌だし、登場人物が現代的すぎて、これがカストラートの時代の話っていうのはさすがに厳しい。ちょっと昔の現代が舞台だったら、それなりに良い話だったと思います。星2。
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中学か高校の頃に、映画「カストラート」が公開され(観てないけど)、世紀末のどことなく不安な空気と去勢歌手の退廃感がよく合って、ちょっとしたブームになっていたのを覚えています。この作品でカストラートに興味を持った人でガロ系が平気な人は、鳩山郁子「カストラチュラ」(未電子化)にも触れてほしい。
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