HQでは以前、「話し相手」という仕事をヒストリカル物で見かけたが、本作は現代物で。
相手をする時間の長さにも因るとはいえ、この求人は人選が難しいだろう。ふさわしい話し相手がそこまで世の中豊富とは思えないので、大叔母とヒロインロビンとの出会
いも、雇い主マークとロビンの因縁以上に素晴らしく貴重である。まして、試用期間に人柄判明するのでなく、既に大叔母と知り合いだったという設定まで用意、双方相手を判っていくプロセスを省いて、話のウェイトをそれ以外の進行に割いて、作り手の意図を隠し立てもしていない。
お話の世界には出来過ぎの偶然が満ち満ちているが、この話はこれら巡り合わせの妙を、居直ったように繰り出して来る。そんなシチュエイションでは、ロビンの伯母夫婦、そしてドミニクまで、ロビンに対するハッキリとした感情の好悪を際立たせる。ドラマとして明らかにスポットを当てているのは、そんな彼女に膝を折るまで雇い主。弁護士である彼は胸中を殆ど垣間見せない堅物人間。いちいちチヤホヤ(?)して来る、ある意味面倒臭い、他の一般的男性 連中とはかけ離れている。
容姿は本人が望んだ訳ではないもの。
ヒロインのモテぶりを苦々しく感じる人は多いだろうが、当人に責任は無いのに、言われのない偏見により不幸もまた身に降りかかっていたと。
私は見た目(ハッキリとしてるほう)で人様から(知り合う前に)判断され、た自分に対する得手不得手を他人が先入観や憶測で判断されて悲しい経験もあるので、なんとなくこのストーリーの言わんとしている所に共感が入る。ま、ロビンにとっちゃ、実は、っていうのが、あって良かったんじゃないですか?、という話。
荻丸先生なら、後半もう少し甘さある盛り上がり場面に仕立てられた気がするが、原作に忠実だったのだろうか?基本的にコミックで読むので解らないが。
プロポーズ場面のマークさん、ビジュアルをそれまでともっともっと変えてくれても良かった気がする。
キャラの一貫性のためには仕方がないのか。彼の精一杯で。
その後の生活チラ見せのオチで、彼の変貌が、少しだけ。
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