「碧き海の恋文」とシリーズを成すので途中橋本先生のお描きになった二人がゲスト出演。もう宝石はもっとマストアイテムではない(餞別代わり?)。青いダイヤ云々ほぼお構いなしの展開。
ストーリーはこちらの方が遥かにスケールがある。
阿片で英国に
よって骨抜きにされたHKを思わせるアフリール王国が舞台。今度の話でも中東所在設定。
ヒロインが自分から告白し、積極的に彼シンクレアからの愛を乞う主体性を見せて気持ちがいい。うじうじせず、彼のほうへアプローチ重ねる。
謀略はヒロインに知られるところになったとき、彼の悲しい出自も明らかとなり、一方宮廷の内紛は、彼の働きがクーデターを食い止める。
次々展開していく話の広がり、登場人物達の心理と背景、宮廷内のあれこれ、ヒロインのキャラが反映するストーリー展開。散漫になってない。
罰(物語上のバランス)は受けてしまうが、シンクレアなりのヒロイン獲得作戦の裏にある心情は、なんだそうだったの、の、世界。駆け落ちとその後の顛末はどうしてもご都合主義に見えるものの、身分格差のないアメリカを二人が目指すというその考え方は、二人を苦しめたものからの解放を表し、彼らのサクセスストーリーが清々しい。自由と平等の国、誰もが夢を持つことを肯定される国へ手に手を取り合って、ということは、この二人なら大いに意義深い。
お兄様の危惧は遠からず的中、シンクレアの、身体を張った咄嗟の行動は、その兄をして疑惑一辺倒を見直させ、二重の事件の発生を押さえることができた。
ただ、彼の気持ちを確かめられる前からのヒロインの真っ直ぐなアタックは、彼に届いたから良かったけれど、一歩間違えばパワハラだったろう。
王女は、優雅でおしとやかというタイプではないことを強調しているせいか、絵も少々庶民的なのが、残念と言えば残念。
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