同性しか好きになれなくて自分の居場所がないと思い込む奏、父が亡くなり母の心のバランスが取れなくなったが為に母の一挙手一投足に振り回されていた真城。
そんな二人が高校時代に出会い、奏は真城を好きになっていて、真城は奏にある種の独占欲を持ち構
い続けていたのに奏は卒業と同時に上京して連絡が取れなくなった。
真城は奏と会えなくなった事で、奏の事が好きだったと気がつき偶然再会して付きまとう様になっていた。でも、奏はある出来事をきっかけに素直に真城に自分の気持ちをぶつけて二人両想いになります。
二人の家庭の事情が根本にあって、それを踏まえてお互いの視点で描かれています。
真城が母に振り回されているシーンが印象的です。母も息子が大事だからこそ構いたいし構って欲しい、真城は母を守らなくてはいけないんだと子供ながらに思い、母を自分なりに支えようとするんですが、母が意外と奔放で。
空回りしている所もあって、真城が不憫でしたね。
奏は出版社に勤めていて、そこでの人間関係も描かれていて人波乱あったりして真城もちょっとだけ巻き込まれるので、そこであらあらと思いましたけど、ちゃんと解決されます。
最後は奏の家族の視点もちょっとだけ描かれていて、父親の奏に対しての想いとかあって家族に対しての負い目を感じていた奏は、そこで父親に自分の気持ちをぶつけてすっきりしています。
云わなきゃわからないままですからね。例え家族であっても言葉にする事は大事ですね。
色々と考えさせられた作品でした。
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