明日美子先生と対談された記事をたまたま読んで興味を持った作者様。女性の方だと知って面白そうと思い、この作品から読んでみました。
読み終わって感じた事は全く受けつけない人、凄くハマる人と好みが分かれるだろうな…と思うくらい独特な世界
観でした。たぶん10代の頃の私だったら、宝物を見つけたかの様にこの作品を大事に読んだだろうな…と思ったのですが、もうこの歳になると好き嫌い以前に 作中の沢山の文字が見えづらくてあーもしかして老眼…、と焦りました。途中 知らない言葉も沢山あって調べたりしながら読みました。
作品がアングラすぎて感想が難しいのですが、主人公 十三さんが人間らしいなぁ…と感じて思い出した、YouTub○で盲目の男性ピアニストがベートーヴェンの月光を弾いている動画。目の見えない彼が弾く月光に、ああ、神はこの世に存在している…かの如く、その美しさに黙って涙を流し聴いている人たち…。けれどポーランド人(ショパンの母国)に戦時中 人間的に劣る?かの理由で、音楽を禁止した事があったよね…この国の人たち…(ドイツの事です)と思った時、人は美しいものを美しいと心打たれて涙を流すくらい繊細なのに、動物以上に残酷な事を平気でする。だからこそ人の生き様は美しいんだろうなぁ…と、主人公の十三さんに、そんな人間らしさを感じました。
遊郭といういつも西日が射している様な世界で、あの世に行きそびれた人たちが生活している様な…お話…。BLにガロみたいな雑誌があったら載っていそうな作品なのかなぁ…と思ったり…。
ただ…せめて読むものくらいは、綺麗で感動する美しいものだけを見ていたい人には醜い世界に映るだろうな…と思った作品でした。十三さんの続きを追っていきたいです。
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