ネタバレ・感想あり茜新地花屋散華のレビュー

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剥き出しで痛々しくて実直で
ネタバレ
2024年8月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 某アナ雪でオラフが「自分より相手のことを思いやるのが愛」だと言ったが、この漫画も正にハニヤがそれを行動で表している。ハニヤは深沢の真っ直ぐな愛に答えて自分の性質を曲げてまで深沢を愛した。正にクリストフだ。ハンスは母に息子として愛されたいという願いが消化できず、自分を慕うアナを無下にし、消滅する。愛という言葉を繰り返すほど愛という言葉がどんどん軽くなる。軽くなっていいのだ。愛は行動に移すべきだし、脱肛してもいいくらいの覚悟で人を愛するべきなのだ。愛は痛々しくて脆くて複雑で難しい。人の心を形作るものだから当然であり、諦めては行けない。私たちはハ二ヤにならないといけない。
混沌と絶望から黎明に辿りつくまでの道程
2023年8月20日
…という解釈は正しいのか自分、と自問自答してみる。いやはやこの内容でまさかのDKものですからね、びっくり! そこら中に仕掛けられた禁忌の罠に片っ端からはまりまくったという感じ。さらには暗いし重いしでヒェーと叫びそうになりながら読みました。あぁめっちゃおもしろかったですわ。
禁忌と相対概念の坩堝とにかく凄まじい!!
ネタバレ
2022年6月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ この、アングラ臭!
この、規格はずれ感!
商用に頓着しない破れかぶれなエゴイズム!
大大大っっっ好物です!!!
なる程、ガロ系ですか。私は第2期が好きです。(リアタイ読者です)
………
3人の男子高校生が自我実現のために懊悩し煩悶するさまが、とんでもない手法で描かれています。
バックボーンがエロの常軌を逸しているので、それはもう凄まじいです。
ペドフィリア、カンダウリズム、インセスト、そして壮絶なモブレと盛りだくさんで、メチャクチャ性 癖に刺さりまくりで、私がとんでも無くなってしまいましたyo。
冒頭からレビトラ20mgが描き込まれてて、何故それが必要だったかを知った時はひょえぇぇ〜!ってなってしまいました。これは優しさだったのか渇望だったのか?それだけを拾っても深く刺さる事柄です。
こういうのがソコここでメッチャ展開されています。
だいたいが相対概念で表され、入れ子のような思考回路で渦巻く濁流に翻弄され続けました。
何が幸せで何がエゴで、恋はダメで愛は見つかったのか?
男女の絡みと男男の絡みをエッロエロで描きながら、漱石をも語ってしまうケムの巻き方に、底知れない怖さを感じてしまいます。
………
異常なまでに描き込まれた線の乱舞と呆気ない空白。
その絵をも塗り潰す勢いで載せられたテキストの多さ細かさ。
何もかもが、この作家様の作家たるを犯さざる位置に止め置く巨大な錨に感じました。
………
今作はBLとして読んでは理解は難しいかも知れません。
人が安定した自我を獲得するまでのパラダイムシフトを傍観して手も足も出せない苦しさを味わう愉しみだと思います。

初読み作家様ですので、今後既刊作品を読める嬉しさでワクワクしています。
あぁ、有り難い。。。。。
ガロの言葉にひかれて
2021年5月13日
他の方がレビューでガロっておっしゃってて購入しました。ガロ系が何を隠そう好物ゆえ。なるほどガロ系っぽいなぁと思いました。難しいけど面白いけど、娯楽的な面白さからは遠そうです。今はセール中ですけど、お高めの価格にも納得です。こういう話はこの価格を出しても惜しくないと思うタイプが購入していいやつですね。好き!とはならないですが、購入して良かったな~とホクホクです。
魂が剥き出しに晒されてる感覚
ネタバレ
2021年5月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 最初はとっつきにくいし関係性が分からないし圧倒される活字に眠気が襲ってくるし、どうしたものかと途方に暮れました。けど、読めば読むほど星をつけるのもおこがましい感じがして、気付けばどっぷり溺れてました。。
読みながら心身を蝕んでくるんだけど、何故か目を逸らすことができなくて抜け出せない。例えて言うなら、夢野久作や寺山修司とかの世界観に近いかな。言葉にすると陳腐ですが、狂気、陰鬱、虚無が底辺に流れてる感じ。
人間が持っている隠された業を剥き出しに晒してきて、目を覆いたくなる場面もあるんだけど見なきゃいけない気もする。ここまで見せていいの?と驚愕するくらい直球で、飾ったところが全くありませんでした。
十三の闇、深沢の一途を通り越した狂気に近い愛、埴谷は複雑なんだけど一番まともに描かれてます。今作では深沢と埴谷には救いがあり、十三は別作「淋座敷空慰」に後日譚が。
男性同士の性描写はあれど一般的なBLとはかけ離れているので男性にも薦めたい。好みは別れると思いますが、私は文学作品を読み終えたくらいの充実感がありました。
懐古
2017年2月8日
ガラケー時代に初めて買った電子マンガがこのマンガでした。また出会えて嬉しいです。救われない感じがたまらない。
確かに好き嫌い別れる
ネタバレ
2010年5月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ レビュー初心者なのですが良い評価をされていなかったので,勿体ないなと思い,拙いですがレビューさせていただきます

絵や立ち読みの雰囲気で耽美的な世界観を想定して買われた方には最悪にうつるかもしれない作品ですね😺💦

醜くて,汚くて,ずるくて,そんな人間のドロドロとした感情論のオンパレードといったかんじです

けれど,是非諦めずに辛抱強く最後まで読んでいただきたい

読み終わった今の私の感想は「美しいお話だったな」ということに尽きます

重苦しい話ではあるんですが,この絵のタイプであったり話の進め方であったりが,そう重く感じさせないというか,むしろ次へ次へと引き込まれていくようでした

ん~,言いたいことがこれっぽっちも詰め込めなかった感でいっぱいですが,長くなってしまうのでこれくらいで💦💦

とにもかくにも,是非たくさんの方に読んで頂きたい作品だと言うことです

参考までに,明日美子先生とか好きな方は気に入る方多いと思います
何度も読んで
2013年12月22日
初めて読んだときは、はっきり言って評価は1か2でした。けれど、2回目、3回目と読み返すごとに面白くなっていきました。主な人物は、開高、深沢、埴谷の3人ですが、深沢がかわいそうで・・・。絵が痛々しいので、好みは分かれそう。
深いです。
2011年5月31日
何度も読み返しているくらい気に入っているお作なのでレビュー修正しました。




深いですね~。
人により好き嫌いは分かれると思うのは変わらないけど‥




死 と対比しての生。
情欲 と対比しての愛。愛 と対比しての孤独。孤独にまつわる喪失感、喪失感に対する恐怖。
解るけどまだまだ解らない。
読み返すたび違う発見がありそうで、飽きずに読み返してしまってます。ハマる人はハマるマニアックな逸品。





絵も好み分かれそう。
私は好きです。





昭和期の文芸作品っぽいエロと破滅的な部分(太宰的な)を感じるけど、重い題材の割に淡々とした目線で描かれてるので重くない。





最終的に救いを感じます。
ハッピーエンド。





十三さんのその後が気になります(人でなしのように描かれてるけど私は好きなキャラ^^)
十三さんの魂も救われていると良いのだけど‥





小出しなギャグ?的な部分(塙谷くんのサイテーな告白の言葉とか)も私は好きな部分f^_^
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ジャンル: BLマンガ
出版社: 茜新社
雑誌: EDGE COMIX / OPERA