『偽りの愛を孕む』のスピンオフです。単行本になるのを待ちわびていた作品でした。前作で理緒の世話をしていた医師(鷹斗の親友)が主役です。絵の感じから、鷹斗と理緒の息子=理人と悠生を同一化してしまい混乱しましたが、前作とは切り離して読んだ方がい
いかもしれません。これはこれで前作を知らなくても分かるようになっています。そうは言っても根底に流れるテーマは同じなのかなと思います。前作程の無理やり感はないですけど、タイトルの「偽り」「嘘つき」からも分かるように一手めを間違えた二人が未来を築いていくお話です。ボタンのかけ違いのような言葉や行動のズレから、好きだという気持ち・長年の想いが届かないもどかしさが広がり切なさが溢れていて、思いを通わせた二人の姿に安堵しました。このシリーズ(特に前作)に限っては、レビュー(星ではなくて内容)をよく吟味されてから読むことをオススメします。地雷がある人はもちろん、そうでもない人でも受け付けない場合があると思います。それくらい人によって感じ方・捉え方が違う気がします。私は、二人のように愛し方を間違えてしまった人が反省して成長して救済されるストーリーは好きなので、とても良かったです。
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