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野ばらとプリテンダー 上
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野ばらとプリテンダー 上

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作品内容

病に臥せた母の薬代を稼ぐため、故郷から遠く離れたラインハルト家にやってきたノア。
奉公初日、主人のルパードから政略結婚を逃れるための“ニセ恋人”に突如指名される!
共に過ごすうち、他人と一線を引くルパードの心に秘めた寂しさに気が付く。
次第にそばにいてあげたい気持ちが湧いてきて…?
一方で、ルパードも屈託のないノアの笑顔と純真さに強く惹かれ始める。

貴族×使用人のドラマティック身分差BL、かりそめの恋人編。

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レビュー

野ばらとプリテンダーのレビュー

平均評価:4.4 138件のレビューをみる

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高評価レビュー

永遠と呼ばれるものはわりと泥臭い
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼ 友人、血縁者、パートナー、隣人…誰でもいい、どんな関係性でもいいですが、人が人と共に生きていく、というのは、これからずっと、や、生涯、という未来への条件がつくと、酷く難しいものになります。それはお互いがお互いに対して、同じように望み続け、同じように相手へ手を伸ばす努力が求められるからです。関係は、そういうものを全部含めた思いの天秤ですから、どちらかが望みすぎると、望まないと、壊れてしまう。
壊れてしまった天秤を、愛する母親の死という形で目の当たりにしてしまったルパードさん、本作の攻めさんが恋に落ちて、そのどうしようもない引力によって、新しい愛を知っていくのが、序盤のストーリーライン。彼は本当に母に愛されていたんだろうなと思います。誰かに愛されたことがないと、誰かを愛する力というのは湧いてこないものだと思うので。そして、受けであるノアさんも同じで、母に屈託なく愛されたからこそ、ルパード様に寄り添うことを諦めなかった。だからこそ二巻辛かったです。氷が溶けたならもう春が来てくれ。もうずっと春でいてくれ二人とも。
当たり前ですが人生は山あり谷あり、春夏秋冬喜怒哀楽。どうあっても何があっても手を取り合うための全てを諦めない覚悟が必要。思いだとか気持ちだとかは言うたらもう湧いて出てくるもんなので、それを乗せた秤を釣り合わせる行為は結構根性論なんですよね。そういうしぶとさがこの二人にはあります、初っ端から何となく分かります。絢爛な絵柄の野ばら根性って感じです。強さ逞しさが、貴方達の美しさです。
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4件
2024年1月3日
BLメルヘン
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼ 幼少期、母の不幸な死を目にし、深い心の傷を負ってしまった貴族のルパート。その屋敷に、母の薬代を稼ぐため下働きに入ったノア。交わる事なき二人でしたが、ルパートの継母を欺くために、いきなり仮初めの恋人となり、何と初対面で有るにもかかわらずノアにキスをしてしまうルパート。アッ、こりゃもう心奪われたなと。だって、いくらその場凌ぎの恋人でも、ハグぐらいはやりましょうが、キスまでは、ねぇ~。でも、ルパートの気持ちもわかります。ページを重ねるごと、ノアのピュアで健気さが可愛くて可愛くて。お洋服も、何を着ても愛らしい。日々のご馳走に華麗な服。更に、ルパートの愛を知り、何不自由なき日常。私なら胡座をかくところですが、ノアはどこまでも己の立場をわきまえてルパートに尽くします。そんなノアがルパートの父に銃を向けるシーン。初めて自分の固い意志を吐露します。その真摯な愛に父親は根負け。私、ルパートのお父さん、ある意味、家の犠牲者と思いました。これだけの家柄、レベルを落とさず次世代に継承していくため己を捨てたと。今のルパートが幸せに豊かに暮らして行けるのは、父親や代々当主のおかげ。その現実を忘れてほしくありません。
さて、そこから二人の甘々生活の始まり、めでたし、めでたしのオンパレード、大フィナーレ。愛を求めたルパートに、愛を携えていたノア。BLと云うよりは、昔の少女文学のようでしたが、ちょっと疲れた時に、中世の御伽話に癒されました。エロのお口直し、汚れた心のお洗濯に、丁度良き一冊。おすすめです。
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7件
2024年8月4日
重厚な絵と軽やかなお話
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼ 全ページ豪華なお衣装と丁寧な作画で、これを描いた先生の労働量はどれほどのものかと、1ページ完成するまでにどのくらいの時間がかかるのだろうと、想像するだけで恐ろしくなるほどの熱量とこだわりを感じました。
母親の身投げを目の当たりにしてPTSD(明言はされていません)を患う貴族の攻ルパード様×病気の母の薬代の為庭師として出稼ぎにきた受ノア。初対面でルパード様がふっかけた偽恋人で義母撃退作戦に乗るしかなかったノア。めちゃくちゃ飲み込みが早く空気が読めて従順で赤面が可愛らしいノア!たまらーん!かわいー!オチるー!ルパード様とルパード様のお父様の喋り方がやわらかいというか優しいというか、なんか不思議な感じがしました。なんでそう感じたのかはわかりません。内容としましては、偽恋人作戦で一緒にいたら好きになっちゃうやつでした。反対勢力のお父様へノアが反撃に出たのは痛快でしたね。私なら当たりが出るまで引き金引きまくる。あのつめの甘さは貴族のおじさんだからですかね。なんか笑えました。ノアが最初から最後まで可愛くて良かったな〜!ルパード様は地雷踏むとめちゃくちゃキレて面倒な感じですが、ノアと一緒に過ごすうち角がとれて素敵なスパダリ貴族にグレードアップすることでしょう。このルパード様のお洋服はどれも豪華で重そうだなと思ってたんですが、脱いだらサイヤ人みたいにバキバキでしたね。ギャップでビックリしました。
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9件
2022年12月17日
身分差×溺愛×読後爽快
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼ 拗らせ貴族×無垢な使用人、世界は中世の某国…でしょうか。侯爵家の子息で優秀な軍人のルパードの元に、庭師として雇われたノア。でも、ルパードの継母が勧める政略結婚から逃れるため、ルパードの恋人のフリをする事になる始まりです。歴史ロマンとか、大河ロマン的…なストーリーではなく、「母親」に強い思いを持つ二人の、身分差、体格差の溺愛ラブストーリーです。恵まれた身分でも母親を亡くしたトラウマに囚われているルパードと、母子家庭で貧しくても身体の弱い母親の愛情いっぱいで育ったノア。お互いが与えるものに、満たされていく過程がいいです。ただ、話のテンポが、一定ではないところもありました。二人はたぶん、そんなに歳の差は無いだろうと思うんですが、19歳のノアが、DNAか栄養状況か身体が華奢で、逞しいルパードとの体格差が大きいです。ノアが純真無垢なので余計に、子供に手を出した風にも見えちゃいます。知識不足なだけで、当たり前の衣装かもしれませんが、舞踏会やお出掛けの服も、ちょっとショタっぽい雰囲気を感じました。貴族の話なので、衣装が華麗で見応えありです。スイートアワー1Rが好きで、こちらも購入。ちょっとタッチが変わったかな?攻め×受けの甘いストーリーなところが、信頼してポチれる作家さんで好きです。
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3件
2022年12月17日
気難しい貴族×ピュアな使用人の身分差恋
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼ 人を寄せ付けない貴族のルパード×素直で屈託のない使用人・ノア。新しい使用人として訪れた侯爵家で、突然主人のルパードから、政略結婚を企む継母を退けるために恋人のフリをして欲しいと言われたノア。偽物の恋人関係から始まる身分差の恋、上下巻。ノアがとにかく可愛い!裏表のない善良さや素直さ、労わる心がルパードの心をも溶かしていく様子があったかい。幼いルパードが負った心の傷があまりに痛々しくて、それを癒せるのがノアの純粋な優しさや笑顔なのがとてもよかった。本当ならいろいろなことがもっと大変で複雑だと思うけど、身分差を乗り越えて結ばれるドラマティックな王道ストーリーが大好きなので、重すぎず軽すぎずで面白かった!絵がほんとに綺麗だし衣装も目が楽しい。きっとお母さん達も見守ってくれてる。ルパードの執事が印象的だったので、彼目線も見たかったな。スピンあったら面白そう。
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5件
2022年12月17日

最新のレビュー

素敵な物語🌹✨
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼ 絵柄がとても綺麗でどこを見ても美しい✨
身につけている衣装や小物、柄の細部に至るまで丁寧に描かれていて物語の世界観がとても良かった。

黒髪・貴族・寡黙・人を信頼していない孤独でクールな攻めと庶民で貧しく母親の為に働く健気な受け。
はじめは仮の恋人だったけどお互いに惹かれ合う姿や攻めの溺愛が良かった。

受けは可愛らしくて少し髪が長いので見た目が女性っぽいけどどこか涼しげで芯が強くて良かった。
赤面顔は多いけどあざとさは感じなかった。
男らしい受けよりは可愛らしい受けが好きな人におすすめ。

攻めの親友のオルビル殿下も性格が良くてかっこいい!
出てくる登場人物が良い人や嫌な人いろいろなバリエーションでバランス良かったし、やたら周りが同性カップルだらけという事もなく、その辺も良かった。
偏見ある人はあるし、ない人はないって感じで障害になるのは同性という事より身分の差が重要な世界。

区切りの良いところで上下巻が分かれているわけではないので、よっぽど上巻が好みに合わないとかじゃない限り下巻も購入となると思う。
いいね
0件
2025年4月25日

書店員・編集者などオススメレビューをピックアップ!

偽りの愛が永遠の愛に
設計:ノラ(シーモアスタッフ)
愛を知るゆえに失った傷みがトラウマの領主ルパードと、彼の縁談よけのため恋人を演じることになった使用人ノア。最初は冷酷なルパードが、太陽のように温かいノアに心を溶かされ、ついには溺愛、永遠の愛を誓うまでの姿が胸アツです。ノアの純粋さゆえの恥じらうエロスもたまらない、カモバーガー先生の浪漫譚。

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