外見批評する嫌な奴やセクハラ男、世間の身勝手な意見などが本当に上手く描写されていて、良い意味でしっかりムカつきます笑
こういったジャンル(?)の漫画はお説教臭かったりするかなーご都合主義展開かなーと思っていましたが、何故モデルをする
のか?モデルの在り方とは?など、ルッキズムと切っては切れない”モデル”という職業である登場人物達が悩む姿を通して、「人として自分(読者)はどう在りたいか」を問うてくる作品だと思いました。
主人公オリナを通して、世間の根強い外見差別や、女性蔑視、芸能人をコンテンツとして消費している大衆と、当たり前にそれに加担してしまっている自分に気付かされます。話題性の為に芸能人を物のように扱ったり、弱い立場の人だと思ったら下心を出してくるなど、世間に馴染んでいる”凡庸な悪”をまざまざと見せつけられます。
この作品を読み進めていく中で、自分の中に溶け込んだルッキズムに気付かされて、恥ずかしくなり、かなり反省しました。作品に出てくる悪意のある言葉や人物に嫌悪感を抱くと共に、全てに自分も使ったことのある、あるいは思ったことのある覚えがあるのですから堪えます。
プラスサイズを扱いながら「LGBTQやSDGsは流行ってるから数字とれるからやってやってんだ!そうじゃなきゃお前みたいなデブ撮らねえよ!」というメディアなど、本質はどうでもいいという姿勢も描いており、とてもリアルです。
オリナのモデルへのひたむきな姿勢と、差別への立ち向かう姿は読んでいて応援したくなります。最初、レイはルッキズムの権化だなぁと思っていたのですが、読み進めていくと、それも世間が当たり前にぶつけてくる外見差別や女性蔑視によって生まれてしまった悲しい美意識なのだなぁと腑に落ちました。
モデルも人であり、華やかな舞台の裏には努力があり、常に評価に晒されている、とても過酷な職業だと改めて思いました。芸能人をコンテンツとして扱いがちですが、生身の人間であることを忘れてはいけないですよね……。
……と、結局勝手に自分で反省してました笑
現実も今がまさに変化の途中、根強い差別と向き合い、この物語がどう展開していくのか気になります。
応援しております!
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