「声無し」と蔑まれ、親戚家族のもとで召使いのように扱われていた少女ノエル。唯一の癒しは、誰もいない場所で歌を歌うことだった。亡き母から教わったその歌声は、知らぬ間に“人を癒し、妖魔をも鎮める”不思議な力を持っていた。ある日、偶然ノエルの歌を耳にした侯爵ユリアスは、「今日からキミは、俺だけの歌姫だ」と彼女を楽団へ迎え入れる。放蕩侯爵と噂される彼だが、その裏には人知れず“妖魔を祓う”という宿命を背負う秘密があった。ノエルはユリアスのもとで仲間に囲まれ、少しずつ自信を取り戻しながら歌手としての夢を育んでいく。しかし、過去にノエルを虐げた義妹アルテミスの嫉妬心が、次第に“妖魔”の力を引き寄せていき……。傷つきながらも人を憎まず、ただ歌うことで誰かの心を癒したいと願うノエル。その歌声が、ユリアスの心と世界を少しずつ変えていく。「私は…ユリアス様のために歌いたい」――愛と歌声を信じて少女は歩み出す。