森園みるく×村崎百郎が描くサイエンス・フィクション。
世界的なコンピューター企業の創設者の娘である零子。会社の後継者候補として幼いころから特殊な英才教育を受けてきた彼女は家族からの情愛を知らなかった。あくまで自分は弟のスペア。誰からも本気では必要とされていない孤独に心が悲鳴を上げる。「こんな世界は消えてなくなってしまえばいい」と本当に思っていた。
ある日、付き人を撒いて抜け出した先で零子は暴漢に囲まれてしまう。彼女を助けたのは零子の父を憎む青年、勇樹。二人の出会いは「金羊毛」と呼ばれる超極小通信機器を巡る神の計画を始動させ、世界は新時代を迎えることとなる。
「こんな機械を使えば人は人でなくなる」
進化する人類。奪われていく自由意志。導かれた運命は破滅か──それとも。
■目次■
第一話
第二話
第三話