猫田先生の短編集。少し前の作品なので体の描き方が今と異なりますが、妖艶な雰囲気は変わらず。相手への気持ちが滲み出る間合いや表情が色っぽい。主従関係や客とボーイ、など越えられない一線をじりじりと近いたり、乱暴にまで奪いに行ったり…背徳感を漂わ
せる世界観が好きです。昭和名画で「ねぇ、せんせっ…あたくし…」と慕う感じでしょうか…(笑)どの作品も長い映画を観たように深い余韻と共に読み終えました。内容とは関係ないのですが、猫田先生の描く背景や窓から見える外の景色や軽トラに乗っている一コマとか、シュールレアリズムの様と感じます。いや、作品全体がそうかもしれない。それがまた少しほの暗い魅力を増していて心地よいです。とてもお気に入りの短編集です。
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