このレビューはネタバレを含みます▼
四半世紀を経て完結した、フォルネウス編の顛末を知りたくて購入した。
隠秘学を詩的にかつ多少のウィットを含め漫画化すると、こんな作風になるのではないかと思う。
画風の変遷はあるが、それをツッコんだら、ホメロスやシェイクスピア、ピカソあたりも壮年と晩年では作風が異なり、彼らにもツッコミを入れなくてはならない。
旧刊の奥付で作者は、死者の霊に意思はなく、それを見る者の恣意的な解釈により意思があるもののように捉えている、と独自の霊魂感を語っていた。
魔道書に傾倒する魔人・朔本耶享は悪魔フォルネウスを高位のデーモンと見た。低級霊ハンターの流香魔魅は低位のレギオンと見た。私は、デーモンでもあり、レギオンでもあると見た。悪魔は朔本が大公爵フォルネウスではなく別の名で呼んだとしても、力を与えただろう。
ストーリー性は「自動人形」「残像」「幽霊電車」が高いが、作者の持ち味が冴えるのは、オムニバス式の短編か。読み物として捉えた場合、プロットは決して古臭いとは感じない。
作画に偏重し、詩的情緒表現に抵抗がある方にはまったくおすすめできない。
個人的な感情論としては、偏愛して止まない。