倒幕という歴史的転換を果たした若い武士たちのエネルギーは、行き場を失い日本中に蔓延し始めていた。新政府に入るのを拒み薩摩に帰った西郷は、軍隊を作ってはけ口を与えようとする。しかし大久保利通は、岩倉具視や木戸、江藤、板垣など各自の思惑が、社会の改変を滞らせているのを感じていた。西郷に薩摩藩兵1万人を引き連れて上京するよう頼んだ大久保は、より迅速に明治政府の力を増大させる為、岩倉を長とする欧米使節団を派遣。政府の要職にある彼らが居ない間に、西郷に徴兵令、地租改正、士族の秩禄処分を断行させた。だが時代が、英雄を必要としなくなった時…。序章「明治6年10月」第一章「故郷に帰る…」第二章「藩政と士族」第三章「西郷召還!」第四章「近代国家への道…」第五章「西郷下野す!!」第六章「士族のとる道…」第七章「隆盛の心、利通の心…」第八章「西南の役!!」を収録。