上下巻共に261ページ。
上巻は、4作+描き下ろし後日談短篇の短編集、下巻はシリーズ連作短篇4作+短篇1作。いずれも短篇としては、1作のページ数が長めです。思春期感バリバリなのが良かったです。
〜〜〜上巻〜〜〜
・『隣の町で死んだひと
』中学生男子二人の、事件を通じての交流譚。世界が自分のもののようで自分のものでない、隣の町の人の話のような微妙な距離感、十代の不安定。星4つ。
・『怪談六話』城跡の七不思議と、男女の友情を絡めて。これは感覚が合わず、ラストにがっかり。星2つ。
・『終電時刻』二億当ててから使い切って事故で死んだ男の幽霊と、バイオリニストの卵の少年。あっけらかんとした空気の中に、生きることを考えさせる。描き下ろし短篇を含めて良かったです。星4つ。
・『番町サカナ屋敷』戦後しばらく、昭和34年が舞台。魚屋敷の怪談を軸にした、少年二人の特別な友情。二人だけにわかる関係性、子供時代の「秘密」は特別ですね。星4つ。
〜〜〜下巻〜〜〜
長い黒髪の謎の能力持ち男と、意志の強い女子学生コンビがメインのシリーズもの。全体的に主張が強めで、キャラクターも好きなタイプではなかったです。
・『高層階保健室』疲れたサラリーマンが迷い込んだ、「天使」がいる保健室。少し不思議な、少し良い話。夫婦はお互い様なのです。奥さん可愛い。これだけ思春期感が薄い。星4つ。
もっとみる▼