BLを読み始めた初期も初期の頃、セールか何かで手を出した”おげれつたなか”先生。途中で読むのをやめてしまいました。暴力描写とひどいセ ックス描写に「無理…」となりました。今なら、生々しい迫力ある描写と言えるのですが、その裏にある背景や心に目
を向けることもできず、ただただ気持ちが萎えました。それから”おげれつたなか”先生はトラウマとなり、どんなにおススメされても手を伸ばすことはありませんでした。(初めて読んだ激しい作品だったというだけで…先生、すみません)
今回も、正直悩みました。でも、フォローさん方のレビューを読んで、今が「読み時」かもしれないと思いました。あの頃から、多少耐性もでき、近頃は、どちらかというと、そういうヒリヒリしたものに惹かれている自分もいることに気付いてもいるし…。
前置きが長くなりましたが、「錆びた夜でも恋は囁く」→「恋愛ルビの正しいふりかた(ほどける怪物)」→「はだける怪物」を通して読みました。とても、良かったです。
自分的に、「錆びた夜でも〜」と特装版「はだける怪物」収録の「薊」は、描写だけでなく、心理面もキツくて…目をそらしたくなったのですが(作者さんとは真逆で鼻血苦手です)、全シリーズ読み終わった後に、「あ、これって確か…」と過去との繋がりや、言葉に含まれていた想いとかを見返すために、読み返しました。
読み返す度に「うっ」となるのですが、全シリーズ通読することで、紐解かれ、結びつくことがたくさんありました(助詞の使い方ひとつにも意味が込められています。すごい)。それらを知る度に、胸が軋みます。過ちとの向き合い方、許し方(許され方)、すがりたいのに逃げたい思い、人を好きになること…何もかもがキャパオーバー気味に迫ってきて、正直しんどかったのですが、読後は、スッキリした気持ちです。この読後感は、全シリーズ読んでこそかなと思います。
フォローさん方のレビューがなかったら、再度手にすることはなかったであろうおげれつたなか先生、このシリーズを全部通して読むことができて、本当によかったです。フォローさん方、心惹かれるレビューをありがとうございます。
以前は読めなかった作品も含めて、おげれつたなか先生の他作品も読みたいと思います。
何となく、「錆びた夜〜」だけのレビューに絞れなかったのは、今後、続編のレビューをすぐに書ける自信がなかったからです…。
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