君を殺した夜
」のレビュー

君を殺した夜

夜光花/小山田あみ

温度差半端ない

ネタバレ
2018年6月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 負けず嫌いでプライドが高く、その上自虐思考で劣等感炸裂で、とにかく難しくてめんどくさい受けでした。攻めとどういう関係を築きたかったのか、攻めにとってどんな存在でありたかったのかがわかるまでをグルグルひたすらループするお話で、ここまでマイナス思考だと流石に嫌気がさすものですが、生徒たちとの様々な問題や今カノとの関係などがちょいちょい間に入り、最後まで面白く読めました。最後に二人は一緒にいることを選びますが、攻めの気持ちは純粋に愛でも受けの気持ちは一種の執着のように感じました。がんばれる自分でいるために攻めが必要なんだと思います。攻めを心から好きだと思える日が来るのかどうか微妙な最後ですが、先ずは自分自身を好きになるために変わりたいと願う受けの気持ちが純粋で、希望の見えるラストでした。ただ、受けのグルグルにあんなにページ数割いてた割には生徒とのトラブルや彼女との軋轢など、様々な問題が最後の数ページで一気に片付けられていて、こんな大雑把な解決の仕方ならあんなに様々な問題をぶち込む必要はなかったのではと思いました。ちょっとバランスが取れていない印象です。
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