檻の外
」のレビュー

檻の外

木原音瀬/草間さかえ

ああ素晴らしい

ネタバレ
2018年6月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ ようやく見つけた堂野には妻子がいて、家族ぐるみの付き合いをするようになった喜多川。このままどうやって話が進んでいくの?あっ奥さんに男の影……ええっ!!そんな……穂花ちゃん…。
大人の身勝手な事情で死んでしまった娘を誰も純粋には追悼出来ない中、喜多川だけはフラットで、ただただ穂花の死を悼んでいて堂野もようやく泣く事が出来るんですね…この時喜多川と生きて行こうと決める、と。
大事な娘の死をもってしてようやく結ばれる…という残酷すぎる(個人的に反則ギリギリの)展開。並大抵の作家様では扱えない(描き切れない)部分だと思うんですけどね…木原さんは読み手が必要以上に心が揺さぶられないよう淡々と書き上げています、ほんとすごい…。

この大きな転機の後は喜多川の物語に。喜多川視点や堂野の息子視点で喜多川の幸せな人生を見届ける事が出来ます。あたたかい気持ちになるエピソードばかりですが涙で前が見えなくなる事も多々あって(印象的なシーンやセリフが沢山で全部書き出したいくらい!)……要するに素晴らしいということですね(笑)

この作品を生み出した木原さんに感謝!!
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