鋼の元帥と見捨てられた王女 銀の花嫁は蜜夜に溺れる
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鋼の元帥と見捨てられた王女 銀の花嫁は蜜夜に溺れる

小出みき/森原八鹿

ヒロインは好ましい

ネタバレ
2018年8月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ ストーリーは深いし、面白いと思います。ヒロインは悲惨な境遇ながら、芯が通った凛とした心持ちの素敵な女性で好ましいです。けれど最後まで読んで余計にヒロインの母の行いには納得が出来ないなぁと‥愛する人を思っての行動は健気で自己犠牲的なものなのかもしれませんが、それによって裏切られたと思い歪んでしまった国王が哀れです。それならば真実を告げて、打ちのめされた国王をそれこそ自己犠牲的になるほどに支えてあげればよかったのになぁと。何より母を失い、信じていたヒーローにも見捨てられたと思い、国王にも非道な仕打ちをされるヒロインが全ての被害を被っている気がします。まぁ、再会したヒーローはヒロインを見捨てたわけではないし素直ではないけれどヒロインにメロメロになるので、安心はしたのですが。ヒーローにしてもヒロインの母に口止めされていたとはいえ、真実の一端を知っていたのであれば、国王の行いを責める前に国王に対してどうにかしてあげれば良かったのにと。確かに国王の行いはひどいものではあるのですが‥なんだか何も知らないまま歪んでいく国王が可哀想になってしまいました。という結構どろどろの愛憎劇なのですが、最後に主要人物出てきて真実告げて国王ひたすら後悔して謝って、みんなわだかまり溶けてハッピーエンド‥って、えええ!?って、ちょっとついていけなくなりました。それでも最後まで読めたのはヒロインが好ましかったから。それにヒーローとのやり取りも甘いし可愛いし面白かったからです。けれどもやっぱり国王が可哀想な気がして、もやもやって残ってしまいました。
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