このレビューはネタバレを含みます▼
義兄弟ものはあまり好きじゃないし、青年マンガもほとんど読まない私が、無料版1巻を読んで、「これは損なし」と直感。
2、3巻まとめて購入。すごいわ、これ。
私は昨秋、身内をガンで亡くしていて、まだ若かったこともありガン発見からあっという間でした。だからこそ、こういう生をテーマにした作品の嘘っぽい所はすぐ見抜けるしシラける。これは主人公の愛、葛藤、成長が素晴らしい。単なる義兄弟愛がテーマではない。それを超えて主人公の4人兄弟の家族愛と生・死・命がテーマ。救命士なのに助けられないもどかしさが深く伝わる。登場人物は生きたい人、自分から死を選びたい人、事故、怪我、病気、出産、子ども、寂しがりやの老人とかなり多いが、救命士として一回関わるぐらいなので、くどくない。
3巻を通して一番感じたこと。「死は必ず絶対公平に誰にもある。万人共通の死。でも死に方は様々。」
全ての巻にたくさん名言があった。
1巻名言:後悔と心残りのない愛する人の死はない。
2巻名言:余命宣告された人にしてあげたいことは余命関係なく今すぐしてあげたいこと。
3巻名言:小さなことでもなんでもその人の役割があればその人の生きる理由になる。
作品の中には1秒に深い意味がある。「1秒で1年分愛する覚悟」「別れは明日かもしれないから1秒を愛して生きる。」は生を感じて生きるからこそできる覚悟。深すぎ!
そしてなんとなくラストシーンをじっくり読み直してみると、小さくラグビーのヒーローのその後の奇跡が描かれてたのか!読み直す度に新たな発見がありそうな予感。
目にもお財布にも優しい3巻完結がまた嬉しい。
特集タイトル通り、ハズレなし。
大満足だったよ!