ゴールデンカムイ
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ゴールデンカムイ

野田サトル

明治時代の北海道で金塊を求めて東奔西走!

ネタバレ
2018年9月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 皮をはぐーなどグロい描写がデフォルトなので、ずっと忌避していたのですが、読んだみたらめっちゃ面白かったです。日露戦争で「不死身の杉元」と恐れられた元日本兵と、勇敢なアイヌの少女がアイヌの莫大な金塊を探して旅するアクションものです。その金塊をありかが記されているのが網走監獄の脱獄囚たち24人の体に彫られた入れ墨のため、二人はその入墨人肌もしくは入れ墨のある元囚人たちを探して旅します。登場人物のほぼ八割が、特殊な変態、もしくは心に闇を抱えるサイコパスという破天荒な設定で、戦闘と殺戮の描写は苛烈を極めます。さらに、え?!という展開の速さと作者の容赦ない逆境設定で始終ハラハラしてしまいます。その一方でほのぼのとしたギャグと思わず茶を吹き出すようなエキセントリックなギャグが細かく挟まれているので、とにかく面白いです。金塊をめぐって誰と誰が手を組み、だれが裏切るなどサスペンス的要素もありストーリーにぐいぐいひきこまれます。また、開拓時代の北海道の大自然の緻密な描写は圧巻です。アイヌの神秘的な思想や文化も細かく描かれているため すごく興味深いです。主人公の二人が倭人とアイヌという立場なのですが、お互いの文化の違いをリスペクトしたりあるいは笑いにしたりと とてもいいコンビです。幕末の香りのする明治時代の北海道を舞台に、狩り、グルメ、殺戮、男体、変態と読み応え満載です!すごくおすすめです。
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