セロ・メロウ
」のレビュー

セロ・メロウ

田倉トヲル

表題作+短編5作 透明感ある短編集

ネタバレ
2018年9月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作+短編5作収録。田倉トヲル先生、初コミックス作品。甘酸っぱく透明感ある短編集。幻冬舎の日半額キャンペーン購入。「こいものがたり」が凄く良くて作者買い。個人的に繊細で余韻のあるこの世界観が好き。エロ的なものはほぼなく、キスのみ。

「荷台の彼女」
毎朝、綾を自転車に乗せてくれるコータ。そんなコータに片想いの綾。特別が嬉しい綾だけど…。未満な二人がこれからどうなるのか。甘酸っぱい短編。

「兄弟ごっこ」
美大に通う裕太と、隣に住む高校生・智のお話。絵を描くことに行き詰まりを感じていた裕太に…。単純なようで、しっかり裕太を見ている智の存在が頼もしい短編。

「放課後のイチゴ味」
ある日机の中に入っていた飴。同じ机を定時制のクラスと共有するつづるは、いつしか始めた飴交換で、圭吾と知り合って…。少しずつ近づく二人にドキドキする短編。キスのみ。

「FINGER」
大事なものがふたつあったら?高校生・秋央と隼人のお話。秋央の想いに流されて付き合いだした隼人だけど…。指が繋ぐ、二人のこれからが明るい短編。キスのみ。

「よつば」
高校生・吉田と体の弱いクラスメイト・行元のお話。体育に出れない行元はいつも足下の四つ葉を集めていて…。四つ葉が運ぶ小さな幸せ。優しい気持ちになる短編。

「セロ・メロウ」
宗介と、宗介の家の店でチェロを弾く音大生・真幌のお話。人を好きになったことがない真幌が、初めて抱いた宗介への感情。言えない想いをのせて弾くチェロが、艶かしくて…。表題作。キスのみ、朝チュン。

「あとがき」1ページ
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