愛し子の肖像
」のレビュー

愛し子の肖像

キャシー・ウィリアムズ/横井里奈

もう一度娘に会いたい一心で

2018年9月9日
このテの話はHQでは見かける話だが、感動のツボを間違わずに掬い取ってくれて、無難な展開と落ち着いたフィナーレだった。
おしゃまな女の子であっても、「自己実現」を語らせるとは、少々驚くし、ホントは怖い身近な人格破綻者の悪人にも、物語の飛び道具的な波乱を匂わせ、意外と言えば意外、異物感といえば異物感なんとなく。没個性を恐れたこの物語の頑張りなのか?

横井先生の絵は、以前にHQでお見かけしているはずなのだが、前に読んだ作品の名前を思い出せず、本作品の方が印象を残したのは、今回は艶やかさに品があり、人物設定とビジュアルが合っていたからなのか。(追記-既読は「マンハッタンの恋人」)
人物が美しいのでそれほど気にならなかったが、背景の入ったコマが少ないというのが読後の印象。

最初4をつけたが5に上方調整する。
私の最近のレビューが5の連発だったので、4くらいがいいかと思ったのだったが、そんな理由で4とすることもないだろうと考え直した。

直近読んだ数作品と比べずに読んだのであったなら、4とする理由がなかったろうと感じたので。


ベタだけど「僕は君がいいんだ」という台詞や、ヒロインの「(自分にはそこにいる)資格がない」との考え方はなんだか作り手の意図通りに動かされた。
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