私・空・あなた・私
」のレビュー

私・空・あなた・私

いくえみ綾

うわぁ

ネタバレ
2018年9月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 悲しい。感動よりも悲しい。
れもんの生い立ち、おばあちゃんの認知症からの孤独感が壮絶。血のつながった母親と父親があんなだったらグレるか、今の養ってくれる家族に遠慮しながら生きてくかどっちかになる。れもんは後者より?

イズミの「れもんだけが俺たちには想定外だった」っていう言葉も読者に突き刺さる。そう、もしれもんがこの家にきていなかったら、くるみさんとイズミのきれいな愛の物語にできる。
れもんが入ったことで、マンガにある嘘っぽさがなくなってるのかも。

れもん、くるみ、林檎、杏、イズミ、志村、千田、四ノ宮・・・人ってこういう風に偶然にも運命的にも繋がってるんだよね。

特にラスト。結局れもんとくるみさん家族とイズミをつないでいるのはあの父親なので、ラストに父親がでてきたのは意味深なかんじ。
ラストはこれからどうなるのかな、れもんが成長していくのかなと未来を想像させる終わり方。確実にハッピーエンドを見届けたわけではなくてせつないけど応援したくなる。
こういう終わり方、20年ぐらい前にありそうって思ったら、最近の作品だったみたいです。

なんだか、大人になったれもんが「昔あんなことあったねー。」ってほろ苦い青春の思い出をみせてくれている感じの作品。
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