罪に濡れたふたり
」のレビュー

罪に濡れたふたり

北川みゆき

嘘じゃない禁断ラブ。

ネタバレ
2018年9月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ まぎれもなく、禁断の恋愛です。義理とかなんとか、そんなのじゃなくって、血と血で繋がっている男女の恋愛です。それが 苦手な方は 読まないほうがいいです。さて、前おきはこれはくらいにして、私は、この先生だから、最後まで だらけることなく、一途な愛を描かれることが出来たんだと思います。さすがだと、思いました、そういう難しいテーマを 敢えて 妥協せずに描かれた先生は 創作者として 凄いと思いました。私は、義理の兄妹や姉弟の恋愛作品は よく読むし、好きなんですが、さすがに、血の繋がった兄妹の作品は気が引けました。最後まで読み通せる自信なかったです。まぁ、もし ダメなら そこで 閉じてしまえばいいや、と思い読み始めました。この先生の作品の一つの特長なんですけど、当て馬が 次から次へと出てきます。これでもかってくらいワナをかけてきます。わりと しつこいです。ねちょねちょしてます。そして、この作品でも そういう当て馬が登場します。でも、この作品では それが 有難かったです。ねちょねちょ、じっとりした当て馬なんですが、この当て馬たち、実は、倫理的、法律的には間違っていることを言ってなくって、まるで、血縁の恋愛はダメだよっていうことを熱弁しているに過ぎない人達で、まぁ、でも やり方が汚いんで、そこは 作品にドロドロ感を醸し出してます。最後まで 彼らが登場することで、一応、倫理的にはNGな恋愛だと言いながら、最後まで突っ走ります。そして、最後は、あぁ そう来たか!って思いました。アリか無しかと言えば、私はアリでした。二人を自由にしてあげたかったですね、正直。だから、アリでした。一気に読むと、感情移入してしまうと、むっちゃ しんどいです。息継ぎも忘れるかもしれません。ドロドロしてるんで、脳みそが パンクしそうになります。でも エンターテイメントとしては むっちゃ 優れている作品だと思いました。何度も言いますが、最後まで、重い排他的なテーマを貫いて描かれた作者さんには頭が上がりません。これこそ、創作者根性だと思いました。
いいねしたユーザ13人
レビューをシェアしよう!