プリンスとの夜
」のレビュー

プリンスとの夜

ホリー・ジェイコブズ/山本鹿乃子

なん組も合同で結婚する

2018年9月25日
狭い中でごちょごちょと、それも、出来すぎの偶然がいくつも重なり、此処まで来ると覚めて眺める自分がいる。パーリーとバスターまでとは。そして、その二人に影響も受けるかと思いきや、頑なヒロイン。
HQ定番の、彼が愛していると言ってくれた訳じゃないから結婚は出来ません、という話。
王子は嫌いなタイプではない。むしろ好き。山本先生の描かれる男性はきれいな感じ。しかしヒロインが子供っぽ過ぎ。言動につられ外見までも幼く見えてしまう。二人のどうどう巡りが、私の中では面倒臭くなって、ヒロインの心境(理屈はHQ的には正当化されるが)に入り込めぬ内にメイン二人は同じ屋根の下、終始関係を拗らせて改善がなかった、という感じだ。別の国のある狭い地域社会の人々がそのまま舞台を移して、メインのとある王国で延長?のような、再会と再構築?のような、人間関係を織り成す、やや極端な二点間地域限定もの。偶然が多過ぎる展開もここまでくると読み手がバカにされたよう。しかもカップルだらけ、これでは鼻白む。ヒロインには終始子どもじみた振る舞いでまともにコミュニケーションが取れない印象が抜けない。取りつく島なく逃げるばかりで、空回りの時間がかなり過ぎる。
山本先生の描かれるHQ男性に一目惚れした他作品(嘘のヴェールの花嫁)から注目し、時々見たいと思っていてこちらを手に取ったが、こういうヒロインに振り回されているのを見せつけられると、百年(?)の恋も冷めてしまう。

一言で言って、愛してるの言葉のおねだりに疲れる。最後まで勿論読んだが少々どっちらけ。
ストーリーの方にいいところが余りないような物を、いくらヒロインが可愛らしく描かれても、将来の国王妃としてどうよ、と思ってしまう。皇太子として、彼のほうは自覚ある場面作りあるのに残念な気持ちで一杯だ。
原作が悪い、ということなのか?
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